師走になってから、私はとにかく作りあげて、印刷して、書き続けた。
何をって、もちろんそれはカードである。
私はあえてクリスマスカードと呼ぶのを避け、
年末年始の挨拶のカード、Seasonal Greeting Cardと呼んでいる。
中立に、ニュートラルに、を必ず念頭に置いて、
「良いお年をお迎えください」 Have Happy New Year
という文章である。
私はアメリカに住んでいる。
当然のごとく、ここには色々な宗教の信者がいる。
それなのに送り主さんがキリスト教だからという単純な理由で、
「メリークリスマス」 Merry Christmas
とまるで当てつけのように書かれているカードを多く受け取る。
例えをあげると、ユダヤ教の人にはクリスマスではなくハヌカなのであるから、
彼らに対して「メリークリスマス」というのはとても失礼なのである。
これに似たような発見を重ねて気が付いた。
送る人に悪気はないにしろ、
受け取るほうはトゲのほうな痛みといらつきを覚えるものなのである。
自分の宗教感を他人におしつけがましくするのは
やはり争い事の始まりなのだと思った。
小さなことかもしれない。
でも相手を思いやる心配りは重要である。