アイスホッケーの女子チーム、
ここ最近人気急上昇中とは言っても、
女子チームを作れるだけの人数を抱えている州は少ないです。
というわけで地域によっても
女子プレイヤーの待遇と当てはまる規則等が異なってきます。
ここではカリフォルニアの
サンノゼジュニアシャークス (San Jose Jr. Sharks)と
フロリダの
フロリダアライアンス (Florida Alliance)
の女子チームを比べてみたいと思います。

今回は後半のフロリダについてです。
(前半はこちら 、カリフォルニアについてです。)

さてフロリダはというと、、、
まったく状況が違います。
まずTier1AAAは男子も女子も、
NHLが抱えているユースホッケークラブにTier1AAAがありません。Tier1 AAAはフロリダアライアンスと
サウスフロリダホッケーアカデミーの2つになります。
(サウスフロリダホッケーアカデミーは
NHLパンサーの練習地がホームアイスなんですが、
直結した関係ではなさそうです。
これも今シーズン中、少し変化がありそうなところですが。。。)

では、ここからフロリダアライアンスのことを
紹介していきたいと思います。

フロリダアライアンスは
わりと最近できたユースホッケークラブなのですが、
男女ともに、全国に名をはせております。
前季(2019-2020)は全国でトップ10に入るチームを
いくつか抱えるクラブです。
そして、今季(2020-2021)は
女子のTier1AAAチームを作ることができました。
フロリダアライアンスはまだ新しいクラブのため
実績がなく作れなかった女子Tier1 AAAですが、
2シーズンほど良い成績続きだったので、
USA Hockeyから許可も下りて、
今季やっと念願の女子Tier1 AAAを作れたという流れです。
ちなみにフロリダアライアンス、
前シーズンの女子 U16 Tier2AAは全国トップという成績でした。

フロリダアライアンスはホームページに
フロリダ州エステロ市がホーム、
というように記載されていますが、
基本的にホームリンクというものは
クラブ側では用意していません。
州内すべてのトッププレイヤーを集めるクラブというとで、
みんな住んでいるところがバラバラなのです。
チーム練習ですら、
みんなトラベルしないといけない状況下なのです。
みんなの負担を減らすためにも、練習は週末のみです。
フロリダアライアンスに所属している子たちは、
シーズン中、週末は練習のために州内をトラベルしているか、
遠征で州外へトラベルしているか、になります。

ここでみなさん
「平日はどうしてるの?」「平日に練習はしないの?」
と不思議になりますよね。
そこで切っても切れないのが、
プレイヤーが住む地元チームやコーチとの関係になってきます。

フロリダアライアンスは、
「アライアンスのイベントが最優先と理解しているなら、
他は好きにやってイイヨ」
という姿勢のクラブです。
そしてほとんどのプレイヤーが、
地元チームに平日の練習だけ混ぜてもらうという形で
お世話になっています。
アライアンスではないホッケークラブが
主催するイベントに参加する時も、
アライアンス側からの許可は必要ないし、
高校のホッケーチームに入っても良いし、
試合に出ても良い。
そちらの公式メンバーとして入っても良いし、
スケジュールが許すならそちらの試合も参加して良い。
特に女子は、フロリダアライアンスが第一所属チーム、
地元チームが第二所属チーム、
というように2チームを掛け持ちする子が多いです。
2つのチーム(しかも違うクラブ!)の正式メンバーになるなんて、カリフォルニアでは考えられないことです。

ここで付け加えておきたいのですが、
男子はTier1 AAAの正式メンバーに入っていると、
プレイダウンすることになるTier2 AAやA/B枠で
正式メンバーになれないし、
公式試合にも出ることはできません。
そして、女子も同様に、Girls Tier1 AAAの正式メンバーの場合、
ステップダウンになるGirls Tier2 AAやGirls A/B枠で、
メンバーになれないし、公式試合にも出られません。
しかし、ここで女子には女子という特権が生まれるのです。
女子は第一チームとしての所属がGirls Tier1 AAAだろうが、
Girls Tier2 AAだろうが、
男子チームのTier2 AAやA/B枠に入って行けるのです。
もちろん正式なメンバーにもなれるし、
そうなると公式試合にも出場可能です。
というわけで、フロリダアライアンス女子のほうが、
地元でお世話になる2つ目のチームでも
実は正式なメンバーということが多いです。
(ホント、こんなの、カリフォルニアでは考えられへんっ!
という状態です。)

アライアンスチームのプレイヤーが地元チームを掛け持ちすると、
まずプレイヤーは平日練習が可能になります。
そして地元チームは上手な子が練習に加わることで
もっと上を目指すようになります。
定員割れしているチームなら、
たまにでも一緒に試合へ出てくれる子が
ひとりでも多く居るのと居ないのでは大違いですしね。
ホッケー人口が少ないフロリダなので、
相互利益は大きければ大きいほど良いと感じます。

地元のホッケークラブに所属しないアライアンスのプレイヤーたちは、
平日に地元コーチが個人的に開いているクリニック等に参加して、
アイスに乗ります。
私の知っている1時間のシューターセッションは
これまた内容がとても濃くて、
見ているのが大好きなセッションでもあります。

カリフォルニアとフロリダでの違い、
どうだったでしょうか?
同じ国の中で、同じスポーツなのに、、、
州が違うだけで、ホッケー人口も異なるし、規約もこんなに違う。
大陸ってのは厄介だなとすら感じる今日この頃です。